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野菜栽培に関するプチ論考
一昨日、我らが情報化農業研究所とともにNHK出版の方から取材を受けました。


畑を見てもらいながら当農園の栽培について色々なお話しをさせてもらったわけですが、
話しのメインテーマは、
耕作放棄地を最短時間(1~2年)で高品質な野菜の採れる畑にするための技術
というものでした。
日々の栽培現場での仕事をしていると、
基本的に雑草や野菜(やイノシシ!?)、そして天候などの自然の変化に追われていて、
常に頭は、
「ヤバい!遅れてる!」
「ヤバい!間に合わへん!」
という状態で過去のことなど反すうしている余裕がないのですが、
今回のような機会によって、
過去(と言ってもまだ2年経ってませんが…)から現在に至るセレクトファームの畑の変遷を顧み、
なぜそれが可能だったか?
ということを自分自身もしっかりと整理して理解することができました。
取材して下さった方々にもきっちりそれが伝わっていればよいのですが。
思えば1年ちょっと前はこんな感じだったんですもんね。
確かにここから考えれば劇的な変化ですね。
過去のことなど普段は意識しないけれど、
過去から現在への変遷をきっちり整理して、
・どういう作業を施してそうなったか
・どう考えてその手順を選んだのか
・今後の課題は何か
などを他者にしっかり説明しないといけない。
そんな立場になってきているのかなと感じました。
日々、自然どもの変化に対応し、自分の労働を最大化(しようと)するだけでも大変だが、
まあ目標に近づくためには頑張らねばな!
畑で今までやってきたことが価値ある情報だと思ってもらえるなら幸いです。
現在の栽培において最も楽しみであり、かつ恐ろしい部分でもある例の圃場はどうなったでしょうか。

ふむ。
欠乏症が出てますね。
カルシウム欠乏ですね。
上位葉が黄化していることから移動性の低い要素の欠乏だと考えられる。
この時点では多量要素であるCaと微量要素であるFeやMnの欠乏が考えられます。
ただ幼苗の時点で微量要素が欠乏するのは考えづらい。
有機資材を相当多投したとはいえ元々の粘土的成分ももちろんあるし、
そもそも去年まで通気性・排水性の激悪だったこの土地。
元々還元状態の鉄はそこそこあったと推測できる。
もう一つ、欠乏症の出方も葉の先端部より葉の両脇の方に黄化が現れるという特徴が見て取れた。
これはカルシウム欠乏の特徴。
さらにもう一つ。
キャベツとブロッコリーを植える以前ここはイネ科雑草の群集が占拠していて、他の圃場以上にイネ科率が高かった。
資材多投前の状況と比べてもイネ科率が上がっていたように思う。
イネ科はCaの代わりにケイ酸を構造保持に利用するためCaの要求量が少ない。
だから、イネ科の優占もこの圃場がCa不足であることを支持する。
昨日の雑草を調べてみると、
どうやらヒユ科の何からしい。
とりあえず、
引っこ抜いてみる。

アーメン。
で、こいつは地上部が1mくらいあり、茎も太い。
あたり一面イネ科が埋めつくす中でワラ堆肥だけはこのヒユが占領していた。
湿地や固い地盤に強いイネ科というのは相対的に根に多くを投資する種なのだろう。
これに対しておそらくこのヒユは地上部により多くを投資するのだろう。
ワラ堆肥という根にとってストレスフリーな環境では、
根への投資の重要性は低下し、地上部に投資する方が有利になった?
う~ん何か抽象的すぎてイマイチしっくりきませんね。
イネ科群集の中の一角に、
ポツンと双子葉植物がいる。

近づいてみると、

そこは育苗培土の主材料であるワラ堆肥のある場所だった。
こんなにはっきりとした植生の違いが見られるのはおもしろい。
これは何故なんでしょうね?
昨日は眠いので一言二言で済ませてしまいましたが。

今年のキャベツ栽培の結果がどうなるかは、
うちの栽培技術の今後を考える上で結構重要です。
なぜなら一年目がかなり上手くいきましたから。
一年目のキャベツの環境と今回の環境は全く同じではないけれども、
自分の仮説の中で、一年目と同じ現象を再現するために重要と思われる要素は施したつもり。
ただ、
投入資材の質及び置かれた環境の違いが植物・微生物の増殖・生育・物質生産にどういう影響をあたえるか。
この点は未知なので、やってみないことには結果は分からない。
だがもし今回昨年同様の結果が再現できたとすれば
少なくともキャベツなどBrassica oleraceaの栽培はもう押さえたと言っても過言ではないのではと思っています。
キャベツ類の育苗の状況はと言いますと…

本葉も開き、定植も間近となってきました。
ここで育苗における初歩的な注意事項など。
夏の育苗は特に水やりに気を使うことを以前お伝えしました。
この際注意すべきことは、
苗の成長に伴って水の消費スピードが大きく変化するということです。
まだ双葉くらいの苗に比べて本葉が2~3枚開いた苗は生長や光合成に伴う水の消費が多くなるし、蒸散による水の消費も増える。
だから、苗が大きくなったとき、小さい苗のときと同じ要領で水をやっていたら、
あるカンカン照りの昼下がり、
悲劇が起こる危険があります。
また、真夏の育苗は特に早い。
苗たちの生長スピードが特に速いのです。
ここで注意すべきことは、
隣り合う苗同士の地上部での接触がなく、地上部的にはまだ定植まで時間があると思っても、
実は根っこの生長スピードが鬼ってて、根っこは既にぐるぐる巻きという危険があることです。
育苗培土が空隙に富む良質のものであればあるほど、
真夏の苗の根の張り具合は驚くべきものがあります。
真夏の容器育苗では定植はお早めに、
というのが基本かと。
かつて梅雨時分にこのような記事を書きました。
実はこの後、このワイルドかぼちゃの摘心をちょっと行いました。
まあ適当なんで、全てのつるには行っていません。
そもそもここに何株のかぼちゃがあったかすら定かではありませんが。
(おそらく2、3株だと思われるが。)
そして本日、
秋冬作の準備をする上でかぼちゃを含む草むらがいよいよ邪魔になってきたので、
一斉草刈&ついでにかぼちゃが収穫できればラッキー!
というプロジェクトを実行に移しました。
その結果、

このような良いかぼちゃが…

どっさり獲れました!
まあ草むらに埋もれていたため何個か切ってしまったりしましたが、
勝手に生えてきたものからこれだけ獲れれば上出来でしょう!
まああとは味の問題ですね。
ここだけの話し、
記事かぼちゃ色々生育中♪で紹介したようなちゃんと種から栽培したかぼちゃたちは、
初めて夏作を行う圃場において予想外の病気に侵され、
一部の品種以外は収量が落ちました。
だからこのワイルドカボチャたちはホンマにありがたい恵みとなりました。
ほんの気まぐれからあえて残した野生かぼちゃに助けられるなんて、
やっぱ遊び心って大事。
まあこのかぼちゃたちが居座っていた期間草が刈れず雑草たちは隆盛を極め、
今日はほぼ一日草刈という重労働でしたがね。
秋冬野菜の栽培開始について、ニンジンについては既にお伝えしました。
ニンジンに続いて、
キャベツ・ブロッコリーの栽培も真夏から始まります。
アブラナ科の中でも、
キャベツ・ブロッコリーなどのBrassica oleraceaは葉が硬く巨大になるので真夏に播種します。
それに対して白菜やツケナ、カブなどのBrassica rapaは軟らかい葉でそれほど重量もないので(白菜は除く)、秋播きでも間に合うという感じです。
(白菜を大きくする場合は夏に播くこともある。)
で、現在の状況はと申しますと、

双葉が開ききって、本葉一枚目を伸ばし始めたところです。
発芽率は9割近いのでほぼ完璧。
堆肥培土とボカシ肥料の扱い方は上達したと思います。
しかし問題はここからなんすよね。
真夏に限らないが、特に真夏の育苗は一つのミスが命取りになる。
この炎天下での育苗、
一回の水やりの忘れがそのトレイの苗全滅につながる。
また、培土の性質や水やりのタイミングによっては水が熱湯と化し苗が死ぬこともある。
かと言って無難に日陰で育てようもんなら、
ヒョロヒョロのひ弱な苗となり、
定植後に死の危険が高まる。
適切な水やりと十分な日照下で育てることにより、
短く太く、引きしまった良い苗となり、
定植後も引き続く渇水に十分耐えうる強健な苗が育つ。
ちょっと前にニンジンの話しをお伝えしました。
そのニンジン畝の近況はと言いますと…

!?
ニンジン!?
てか雑草だらけ!
どっからどう見てても雑草しか見えん!!
ニンジンが雑草にすぐ負けるのは蔬菜園芸における常識ですが、
いくらなんでも負けすぎでないかい!?
というより雑草の生育が良すぎるのです。
雑草の繁茂具合はある意味土の良さの指標でもあるから
その意味では良いんやけど、
そんなのんびりしたことも言うてられません!
今回はもう根性で手取りする以外に方法がありませんが、
除草をいかに効率的に行うかは無農薬栽培において最後までついてくる問題だと思っています。
さて効果的な対策を打てるかどうか。
ツルムラサキの話しもそろそろしつこいので今日でいったん区切りにしようかと。
赤種はつる型になりやすいと思われるので作らないでおこうかという結論に至ったわけですが、
では緑種は?
緑種は去年は全て自立型でした。
去年はネットや支柱など立てていませんでしたから。
対して、今年は試みに数株だけネットエリアに植えたわけですが、
そのエリアにある緑種4株のうちの2株だけがつる型になったわけです。
一体どんな条件でつる型になるのだろうか?
日照的には全ての株が十分な日照を得ていたはず。
雑草の生え方に目立った違いが見られなかったことからして、
土壌の環境条件にも大きな違いはなかったと思われる。
とすると、ネットエリアだけでつる型が見られたことからしても、
やはりネットへの接触刺激が原因と考えるのが自然なのでは?
ではネットエリアにもかかわらずつる型にならなかった2株はいったいなぜ?
これが問題の2株。

奥のものはネットに全く接していないので疑問はないが、
手前のものは接触しているのにつるが伸びていない。
おそらく、つる型になるためには特定の時期や特定の部位における接触刺激が必要なのかもしれない。
が、はっきりしたことは分からない。
まあ結論としては、
支柱やネットを立ててつるを伸ばさせるとかえって収穫の量と効率を下げると思われるので、
それらは設置しないことにする。
ということですね。
もちろんこれはあくまで私個人の仮説なので、これをご自分のツルムラサキ栽培で採用するか否かはあくまで自己責任でお願いします。
しかし市販の栽培書や種袋の解説を見ると、
ほぼ全て「支柱を立てる」と書かれてありますね。
しかも家庭菜園向けのそれだけではなく、プロ向けの書物ですら。
そのプロ向けの書物にはツルムラサキの収穫物の写真があるのですが、
それを見ると、
やはり茎が細かった…
みんな「つる」っていう名前に騙されてない?
トマトを植えつけたとき、
老化気味の苗と若苗の2種があったので、
その違いがそのまんま続いてます。
↓実つきの良いトマト

↓茎や葉ばっかし太なってあんま実つかへんトマト

2種の写真中のヒモは同じ大きさなので、
それを基準にして実の大きさや茎の太さを比較してみてください。
植物一般的に、
生育しづらい条件が続けば生殖成長が優勢になりますよね。
つまり上の写真が老化苗からのもの。
下の栄養成長優勢のトマトは、
俗に「暴れている」と言われるヤンキートマト。
更生プログラムを発動してやらねばあきません。
施肥と水やりに変化をつけながら、
実付き具合を調整していこうかと思います。
しかしCECや保水力などの違いからか、
圃場が違えば施肥効果も驚くほど変わる。
難しいねぇ~
トマトの実がなっているのですが、

なかなか色づいてきません。
あぁ早く赤くなってくれ!

ミニトマトはやっと赤くなってきました。
より味を乗せるためにはもっと日照が欲しいところですが…
まあ仕方ないですね。
他のほとんど全ての野菜たちにとっては梅雨は恵みの雨ですから。
梅雨の間にぐっと成長し、ナスやピーマンがフィーバーし始める。
トマトが本領を発揮する上では、
今の環境はちょっと生ぬるすぎるようです。
有機物を大量施用した圃場において、
生育の局所性が目立つ。
これは生育超良好地の水菜

わっさわっさと生い茂り、
現在の野菜セットの中核を担ってくれています。

サラダにも適する早生水菜ですが、
ご覧の通りまるで中生水菜のように巨大化してきています。
こんな生育ごく良好なところもあれば逆に不良なところもある。
この圃場はある意味で実験的な意味合いも大きいから、
この原因は可能な限りより本質的な理解を得ておく必要がある。
今のところの見解は、
これは有機物分解の進み具合の局所性というよりも、
投入資材の質の違いによるのではと思っています。
いくつかの資材を投入しましたので。
記事土には歴史があるの事例なんかも合わせて考えるとね。
ま、そんなことを深く考えている余裕もなく、
夏野菜の種まき・定植を早よ終わらせな!!
二日続けて雨ですね。
ってことで…

モテイチゴが傷んできました。
まあ当然ですが、地表近くに実があって雨が続けば簡単に傷んできますね。
今のところ、いちご自体の栽培は思ったほど難しくなさそうなので、
次作から出荷を目指して作ってみようかなと思ったり。
ただ、品質に関する差別化は容易ではなさそうなので、
やっぱり自家食だけにとどめとこうかなとも思ったり。
どちらにせよ、
今回のような雨による傷みを防ぐためにも、
やっぱハウスかな!
とは考えてます。
育苗ハウスを上回る通常サイズのハウスを建てる予定なので、
そこでトマトや葉物などとともにイチゴも作ってみようかなと。
思ったりしなくもない今日この頃。
夏作に使う圃場は昨年まで田というか沼地だったため、
排水の改善が重要な課題となっています。
方法として、
有機物施用によって栽培環境向上と同時に排水改善も行うのが理想なのですが、
労働力は限られているため、ベストのタイミングで必要量の有機物を施用することができませんでした。
となると、
力技を遂行するのみ!
ひたすら溝を掘る!!

掘っていて見えたのは、

土の層。
ある程度の深さから還元鉄によると思われる青い層が見えますよね。
そしてなぜかこの層以下には粘土ではなく砂の層があり、
とたんに水が湧き出してきました。

おそらくというか間違いなく、
この砂の層を水が水平移動しているようです。
こりゃ排水性悪いのも当然ですわ。
俗に言う、「水が湧いとる」っちゅう状態ですね。
おそらく活発な水脈とつながっていて、
あたかも川のように砂も水と一緒に運ばれてくるのかもしれない。
深く掘りまくれば間違いなく井戸になるでしょう。
なことはどうでもよくて、
排水性さえ改善できればかなり良い畑になるのではと思えました。


