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2011年9月
稲の恵みはもちろんワラだけではありません。
モミガラです。
マメ科の栽培では良い結果が得られましたが、
今回はマメ科を植えるわけではありません。
というか、
この場所はそもそも排水が悪すぎて、
この冬の間、土をいじることはできないでしょうし、
栽培も難しいと判断しました。
そこで、
排水改善を考えてのモミガラ投入。
ただ、
マメ科以外の場合はいわゆる窒素飢餓的な現象が起こり得ます。
というか実際に経験しましたし。
そこで、
次作(おそらく来年の夏作あたり)までにこのモミガラの分解をできる限り効率的に進めねばなりません。
さてどういう方法がよいだろうか。
今年も稲の恵みを頂きに上がりました。
ワラです。
分厚くしけば除草効果が期待でき、
なおかつポリマルチと違って雨水を透過するので、
ナスやキュウリなど、
夏野菜全般にあれば重宝する資材です。
ただし、
それを集める労働は結構なものです。
時間的にも、体への負担的にも。
なおかつ、水があたると分解が始まってしまうため、
雨の当たらないところで翌年の夏野菜植え付け時まで保管せねばならない。
ということは保管場所の維持コストもかかるわけです。
つまりは、
ワラはその利用価値は優れているけれども、
コストパフォーマンスではよく考える必要のある資材なわけです。
でもワラさえあればぼちぼち良いカボチャが作れるので、
とりあえず使ってますが。
毎年載せてますが、
今年も彼岸花の季節がやってきました。
しかしまあ、
異なる地域を見ても、
彼岸花は田んぼのあぜに集中的に分布してますね。
自然に分布を広げたものではなさそうに思います。
Wikipediaによると、
「ネズミ、虫など田を荒らす動物がその鱗茎の毒を嫌って避け」たり、エサのミミズがヒガンバナを嫌って土中に住まないのでこの草の近くにはモグラが来ないなどという説や、
「有毒なので「農産物ではない」つまり年貢の対象外とされた為、救荒作物として田畑や墓の草取りのついでに栽培された。」という説が挙げられています。
有毒成分は水に長くさらすと無害化され、その豊富なデンプンが食用になるということのようです。
まあ僕としてはどちらかといえば後者の説に軍配を上げたいですね。
多少虫やネズミが彼岸花を忌避するからといっても、
それを実用的なものにするにはかなりの高密度で栽培しなければならないだろうし、
田の畔で豆を育てることが昔よく行われていたことを考えると、
大した効果があるか分からない彼岸花など植えるよりは豆を植えることを選択するでしょう。
まあそんなことを思いましたよ。
サツマイモですが、
隣の畝の、マルチの上まで爆進しています。
邪魔になるし、
つる起こしがてら、つるをひっくり返してみると…
びっしりと根付いている!!
マルチの上に溜まった泥はねや植物残渣に根付いています。
さすがサツマイモは強靭です。
ただまあ、
地上部が繁茂したからといって芋の収量が上がるわけではないですが。
収穫は10月末。
収穫直後は甘味が不十分なので、
追熟させて11月中頃あたりから出荷の予定です。
さてさて今年の出来や如何に!?
ニンジンたち。
間引きに手は付けているのですが、
種まきと植え付けに追われて、
後回しになってしまっています。
でも昨日間引きを敢行し、
新鮮で美味しい間引き菜が得られたので、
セットのお客様にお届けすることに致しました。
ご覧の通り葉っぱ主体の間引き菜で、
かき揚げが最もポピュラーな料理法です。
しかしまだ葉っぱが柔らかいので、
お浸しや白和えなども美味しいです。
人参葉のお浸しは生育初期の柔らかい時期が一番美味しいので、
是非とも季節限定の味覚をお楽しみ下さい。
キャベツの定植がほぼ完了しました。
この圃場は奇跡のキャベツの現象の発生条件が施せなかったため、
どこまでのクオリティを実現できるかは不透明です。
まあ、発生条件に目途がついている時点で、奇跡でもなんでもないですが。
ただまあ、
このキャベツ畝の端の方の一部だけは発生条件があります。
その部分の環境がどれだけ他にも伝播するか。
それが重要です。
まあできてのお楽しみですね。
大きい台風がまた来ましたね。
幸いにもうちの畑では大した被害はなかったのですが、
ネギがいくつか倒れました。
まあこの程度の被害でよかったですし、
ネギはこの状態でもおかまいなしに伸長を続けるでしょう。
まあ風邪にはネギが効くとかいいますが、
実際のところ、
再生力の強いネギは、
風にも強いです!
ただまあ、
土寄せはやりづらくなりますが。
当ファームでは、
剪定枝という産業廃棄物を栽培に有効活用していることは既に何度も書いています。
育苗温床として ハウス内における完成 今年こそ温床を手玉に取る
育苗培土として 春はあわただしい季節
有機物マルチとして みんなでマルチを播いてみよう
↓剪定枝からできた培土
育苗培土として優秀な結果が得られ、
家庭菜園などでも自信をもってオススメできたので、
KRP菜園サークルの方々に今年の夏野菜の植え付け時に試しにお使い頂いたのですが、
嬉しいことにご好評を頂けたようで、
また送ってほしいとご連絡があり、先日また送らせて頂きました。
秋野菜に向けての土作りに使われた様子が、KRP菜園サークルのページでご紹介頂いております。
剪定枝の培土が当ファーム以外の方々にも手軽に有効活用頂けることが示されたので、
来年はおそらく今年よりも多くの剪定枝培土が出来る予定ですし、
夏野菜の苗などと合わせて、
来年はこの剪定枝培土を販売することを検討しています。
菜園家の方々にはきっとご満足頂けるはずですので、
どうぞよろしくお願い致します。
例のブロッコリーたちですが、
虫に食われている箇所の株をよく見ると…
ハムシがついてますね。
よく見るとぽつぽつと目につきます。
そして…
これはどうやら、
去年ここに作付けしたのらぼう菜の子どものようですね。
ブロッコリーについているハムシたちは圃場と別の場所から飛来した可能性もありますが、
春から8月始めまで圃場に放置していたのらぼう菜などアブラナ科をエサとして、
圃場内で継代していた可能性もある。
ハムシの幼虫は土中で植物の根を食べて育ったりしますから。
のらぼう菜にはマルチをしていたから、
余計にそれを好む虫の温床になってしまったかも。
とすると、
今回のブロッコリー食害は、
連作障害的な要素もある、
と言えそうですね。
畑を数か月休ませる場合でも、
一作が終わればすぐに耕してそこに植わる植物種を更新した方がよさそうです。
その点でも、
一定区画に植わっている野菜の種類や収穫タイミングなどは一つに揃っている方が理想的。
当然のことですが。
今日発売になりました、
以前、
やさいの時間の記事として当ファームを取り上げて頂きましたが、
NHK出版「やさいの時間」2011年1月号に掲載されました。
実は、
今回もまた!
記事にして頂いた、
わけではないのですが、
当ファームの写真を使って頂きました。
一体どの写真がそれか、
実際に見て分かった方は、
セレクトファームの大ファンですね。
今回の10月号でも有機栽培特集がなされているのですが、
今回の特集は以前当ファームについて掲載頂いた1月号よりもより実践的な内容となっているように感じました。
これから有機栽培にチャレンジしてみようと思われる方は是非手に取ってみて下さい。
これが、
人参の天敵、
アゲハチョウの卵ですよ!
なんと、
リアルタイムで産卵の現場を目撃してしまいました!
予想以上に、
早い!
葉っぱにとまったと思ったら、
もう次の瞬間には産卵して飛んでいきました。
一秒もないかもしれません。
まあそれもそのはず、
呑気にだらだらと産卵していたら、
外敵に対してあまりにも無防備すぎる。
しかし、
鱗翅目は確か足先の感覚器で、
その植物が食物となる種であるかどうか識別するのだったと思うが、
この足先のセンサーは相当好感度なセンサーなのでしょうね。
ま、
感心してる場合じゃありませんが。
ただまあ、
アゲハの被害ってのはニンジンを作っていると必ず起こるのですが、
数株ロスることはあっても、
致命的な被害となったことは一度もありません。
身近な鱗翅目としては比較的体の大きなアゲハチョウに対して、
ニンジンの葉ってのは質量が小さいので、
アゲハ親は卵間の距離をある程度置こうとするのかもしれません。
だってアゲハがニンジンやミカンなどごく限られた食草に特化しているならば、
幼虫の量が食草の量に対してオーバーした時点でそれら幼虫は共倒れでしょ。
食草が小さい草ならばなおさらキャパの幼虫数は少なくなる。
これに対して、
でっかいキャベツには青虫がある程度の数たかってもそれらを養って(?)いける。
これは全くの想像ですが、
アゲハ親は卵の臭いみたいなものも感じて、
それによって卵間の距離も保とうとしているのかもしれません。
ま、被害が小さかろうが、
もちろん放置していたら被害は拡大します。
だから当然見つけたら容赦はしませんよ!
ただいま秋冬野菜の植え付けの時期が続いており、
育苗も行っております。
育苗培土の主成分はいつものごとく、
産業廃棄物である剪定枝から作った土です。
この土をふるいにかけていると…
また例のものが粗い濾過物として得られます。
何か名前があった方が話しやすいので、
この物体をカブトペレットと命名しましょう。
上記の去年の記事ではこのカブトペレットの性能について、
通気性しか挙げていませんでしたが、
このペレットの能力はきっとそれだけではないはず。
これは木や葉がカブトムシによって細かく破砕されてその消化管を通過したものなので、
保肥力及び保水力に優れた微細粒子の集合体ということになるでしょう。
そしてカブトムシやその腸内細菌も分解・吸収しきれなかった栄養成分や、
腸内細菌の死骸に由来する栄養成分も含まれるだろうから、
植物にとっての養分も含んでいると思われます。
植木鉢の底に敷く通気性確保の資材として、
一般的には軽石やパーライトなどがありますが、
上記の点だけでもカブトペレットはこれらよりも優れた特性があるといえるのでは、
と思います。
さらには病害虫被害を低減する効果も期待できると予想しています。
まあ、
生産量とその生産コスト(ふるいにかける手間)を考えると、
このペレットの実用的価値は弱弱しいものですが。
でもおもしろい素材です。
厳しい残暑が続く中、
あの地這いキュウリたちは一時草勢が衰えていました。
しかし数回の水やりと、それに続く昨日の雨を受けて、
少し草勢が回復し、
実付きも良くなってきました。
しかしこの圃場は排水不良なところで、
日照続きでも畝は湿り気をキープしていました。
にも関わらず、
水やり&降雨後のキュウリの回復ぶりは目を見張るものがありました。
このことの一つの要因は、
キュウリが浅根性だということでしょう。
キュウリを栽培していると、
キュウリが根を垂直方向よりも水平方向に伸ばそうとしていくのが、
実際に畝の表面に出てきた根の動きによって分かります。
だから畝表面が濡れている状態でないと水の吸収効率が上がらない可能性がある。
しかしなんとなく、
ここの土は浸透圧が高いのではないかと思うのですが。
いや、
なんとなくの感覚なので間違っているかもしれませんが…
今日は畑に、
有機農業学修士の方が見学に来られました。
ニンジンの間引きをしたりかぼちゃ料理を食べたりしながら、
色々とお話しさせて頂きました。
実は数年前にもお会いした方で、
久しぶりの再会となったのですが、
オランダの大学院生としてブータンで研究を行い、
最近修了されたそうです。
他国の農業政策や生産者の経営スタイルについてお話しを聞いたり、
当ファームの栽培・販売のことについてお話しをさせてもらったり。
色々な方に、
当ファームに興味を持って頂くのは光栄なことです。
今後も頑張ります。
ミニレタスの定植を行ったわけですが。
これらは同じ日に播いた種から育った苗なのですが、
苗トレイを置いておいた環境が少しだけ異なります。
左は、正午頃から日陰の場所。
右は夕方まで日向の場所。
左は葉柄が右に比べて長く伸び、
軸(茎)が細く、(写真では分かりづらいと思いますが)
根張りが悪い。
つまりは半日日陰で育った左の苗は、
徒長気味というわけです。
まあ雨が降るまでの連日の猛暑により、
右の苗と同トレイの苗の中には暑さで少し葉が焼けてしまったものなどもありましたが、
今回の定植時には、
左の苗は明らかにトレイから取り出しにくかった。
軸を持ってプラグ苗として取り出そうと思うと、
すぐに根がちぎれそうになったり根鉢が崩れそうになったりします。
じゃあ軸を持たなければいいと思うかもしれませんが、
軸を持つのと持たないのでは作業効率が変わります。
軸を持てたら苗の取り出しがかなりラクなのです。
徒長していない強健な苗を作ることはその後の作業効率に影響を与えることの一例ですね。
もちろん、乾燥や温度変化への耐性にも影響するでしょう。
やはり徒長はさせないほうがいいでしょうね。
まあ、
今回の徒長は育苗場所の制限によるもので、
好きで徒長させたわけではないのですが。
ふと見上げると、
空の表情が、
あまりにも多彩だった。
中央上方には、
すじ雲と、その中を縦断する飛行機雲っぽいもの。
しかし飛行機雲にしてはくねくねと曲がっていて輪郭が不鮮明。
謎です。
筋雲の左側には、明らかな飛行機雲が。
空の広い範囲を占める、うねるような流れるような雲もまたいい感じ。
そしてその下には、
夕日を覆い隠す黒い雲。
明日以降天気が崩れることを予感させる。
実際のところ、
この写真は天球全体からすると一部分でしかなく、
天球全体ではもっと多彩な表情を見せてくれました。
地球という大きい球体の中の、
ぐるぐると循環する圧倒的な量の水と大気の下で生きているちっぽけな人間。
なんてことも感じましたが、
まあ単純に空が綺麗で、
もう少し長く見ていたい気持ちになりました。
でも、
おっとそんな悠長なことしてる場合じゃない、
日が暮れるまでにできる限り仕事を進めないと。
結局今日もあくせくともがき生きるのでした。
それもまたよし。
あのブロッコリーたちはと言いますと…
厳しい残暑の影響で生育は抑えられていますが、
大きくなってはいます。
そしてこの株、
超綺麗ですよね。
それもそのはず。
このブロッコリーの植わっている場所は、
あの場所の付近です。
他の場所に目を移すと、
しっかりと食われています。
一枚目の写真の株の葉裏にも蛾の卵が産みつけられていたので、
産卵の時点で選択がなされる要素は小さいのかもしれない。
圃場を見回って食害の経過を観察していると、
株上で孵化した幼虫よりも、
夜に株から株へと渡り歩く、ある程度の大きさの虫のほうが大きな食害を与えているようです。
このような徘徊性の虫に、
このような資材投資履歴をもった土で育った野菜は選ばれにくいということなのでしょう。
まあ、
同じようなことを今までに何度も書いてはいますが…
発芽直後の大根の播種筋。
左側の播種筋は黒く湿っているし、
その左側の通路はぬかるんでいる。
この圃場はあの人参たちを植えた圃場と同じ圃場なのですが、
圃場内でのポジションと資材投入の履歴が異なるので、
排水性が圧倒的に違う。
だからこの大根畝は高畝です。
ただまあ、
このような比較的排水の悪いところは、
残暑の季節には保水力が高いことになるわけで、
(必ずそうなるわけではない。この圃場は鉱物粒子の再凝集が起こらないのでそうなる。)
だから今の時期に播種する場所としてえらんだわけです。
逆に言えば、
冬になればなるほど土壌に水が溜まりやすくなり、
排水性の高さが問われることになる。
だから冬までいすわる野菜たちは、
排水のいいところにまかないとね。
このたび、
情報化農業研究所を介し、
やまどうぐレンタル屋さんから雨カッパを寄贈されました。
やまどうぐレンタル屋さんは登山具をレンタルするサイトで、
今回はそのレンタル登山道具の中古を頂いたというわけです。
ということで、
さっそく使わせて頂きました。
キャラバンのカッパ
さすが登山用カッパとまず感じたのは、
写真では伝わりませんが、
ものすごく軽い。
登山ほどずっと歩くわけではありませんが、
農作業ももちろん肉体労働なわけで、
素材が軽いのは非常に助かります。
また、
又の部分にジッパーが付いているのもいいですね。
通常のカッパには付いていませんが、
ジッパーがあると着やすいのみならず、
男性の場合、カッパのまま用を足すのに便利です。
農作業においても、冬の雨天時は特に体感温度が寒く、
トイレの頻度も増えますし。
そして、
腰や足の裾についている紐も便利。
腰の紐は、ゴムだけの場合に比べてずり落ちが防げて重宝しますね。
これはカッパ全般において重要なことですが。
また、足の裾にひもがあると、
裾を折って紐を締めることによって、
裾の高さを調節できます。
これは、カッパを着て泥に突入していく農作業において重要なポイントです。
裾が地面すれすれの場合、
何度も裾が泥だらけになることによってすぐに傷みが生じやすいですから。
というわけで、
中古の登山用雨具は、
農業においてもとても有効に活用することができます!
やまどうぐレンタル屋さん、
ありがとうございました!
またまた人参ですが。
以下の二つの畝を見比べてみて下さい。
まあ畝間で人参の大きさ自体に違いがありますが、
それ以上に、
下の畝では上の畝に比べて、
畝の真ん中二条と外側二条との間で人参の大きさに大きな違いがある、
というのが見て取れます。
これはまあ単純な話し、
畝の中で外側の部位の方が内側の部位に比べて水分不足や高温による生育阻害を受けやすいということですね。
ぶっちゃけた話し、
白い畝と黒い畝の中の、
白い畝が今回の下の写真の畝で、
黒い畝が上の写真の畝ということです。
まあそうすると、
下の写真の畝は、渇水・高温に対する対策が打てていないことになりますが…
ぶっちゃけ、
平畝で良かったかもしれません。
あのモミガラ量だけでも、
平畝化が可能ということでしょうかね。
平畝化は労働効率化の効果が大きいので、
このことは重要ですね。